学科長挨拶

心理支援科学科長
栗 林  理 人

はじめに

心理支援科学科長 栗 林 理 人 令和2年4月、弘前大学医学部に心理支援科学科が開設されました(学生の定員10名)。国立大学として、公認心理師を養成する学科を開設するのは、東北・北海道地方では初めてです。総合大学のなかに位置づけられる意義は大変大きく、医学部に併設された附属病院において、充実した実習が受けられるのも強みです。心理支援科学科の教員は、精神科医2名、心理学を専門とする教員6名の計8名で構成され、現場の臨床に加え研究面でも充実した指導を受けることができます。

 

学科開設に至るまで

 ここでは、その前身にあたる「子どものこころの発達研究センター」を説明させていただきます。
平成26年(2014年)4月、弘前大学医学部内には、東北地区の子どもに対する支援体制の整備や、研究拠点づくりをめざして「子どものこころの発達研究センター」が設置されました。本センターでは、弘前市教育委員会の協力を得て、弘前市内の小中学生に「こころのサポートアンケート」を毎年実施し、子どもたちの発達の特性、情緒、行動等の経年的な変化を追いながら、学校現場への介入を試みました。
 平成27年(2015年)3月25日には、当時の中路重之医学研究科長の後押しにより、中南地域の市町村の教育委員会と弘前大学教育学部・大学院医学研究科が、子どもの心身の健康増進事業さらには教員養成や学校教育の課題解決を目的とした「中南地区連携推進協議会」が発足しました。本センターは児童生徒のこころの問題、インクルーシブ教育システム構築推進事業に関わり、医療・心理学的な視点から学校現場での支援を行いました。そして、青森県内の学校で生じた重大事案(爆発事故、自殺など)に対して、主に生徒へのこころのサポートを実践する機会を得ました。
 その後は、児童生徒だけではなく、学校の環境(学校風土)の把握を心がけたり、町の教育委員会に親の相談窓口をもうけたりなど、子どもたちの成長を促す環境を少しでも改善できるように心がけてきました。
 また、弘前大学教育学部の教職大学院の講義も一部担当し、これから教師になる院生や既に教員として学ばれている院生との交流も行っています。このような活動の中で、本センターは教育、医療、司法、児童相談所、発達障害者支援センター、子育て包括支援センター等と事例や現場を通じて幅広く連携を築いてきました。

今後の方向性

 このたび開設した心理支援科学科では、本センターで培った子どもの心に関する研究成果や経験を生かしながら、教育学部時代の心理学科の流れから、さらに幅の広い「コ・メディカル」へと飛躍・展開していきます。
 そして、忘れてはならない課題としては、青森県内において「コ・メディカル」に加えられた公認心理師が働ける場所を確保していくこと、と考えております。

最後に

 公認心理師は、医師と協力して医療にあたる「コ・メディカル」として、人と向き合い、課題の解決を援助する仕事です。目の前の人に真摯に向き合うことは、自分自身に向き合うことにつながっていきます。目の前の人の「人となり」を理解し、適切なこころの支援や対応について、弘前大学で教育、臨床、研究を通じて学んでみませんか。

弘前大学医学部心理支援科学科